FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者:ハンス・ロスリング 、オーラ・ロスリング、 アンナ・ロスリング・ロンランド 発売日:2019.01.11
あらすじ
本書は、世界的な公衆衛生学者ハンス・ロスリングとその家族が、人々が抱く世界に対する誤った認識を、データと事実に基づいて正していく一冊です。「世界の貧困は減っているか」「平均寿命はどれくらいか」といったクイズを通じて、多くの人がチンパンジー以下の正答率しか出せないことを示し、なぜ私たちは世界を悲観的に捉えがちなのかを解き明かします。「分断本能」「ネガティブ本能」「直線本能」など10の思い込みを紹介し、それらを乗り越え、事実に基づいて世界を正しく見るための思考法を提案しています。
こんな人におすすめ
ニュースや報道に触れて世界の未来に漠然とした不安を抱えている人、ビジネスで国際情勢や市場動向を冷静に判断したい人、データリテラシーを高めたいビジネスパーソンに最適です。また、教育関係者や子育て中の親が、世界の現状を正しく次世代に伝えるための入門書としても役立ちます。SNSやメディアの情報に振り回されがちな現代人、思い込みや偏見から自由になりたい人、グローバルな視点で物事を考えたい学生にも、知的好奇心を満たす一冊として強くおすすめできます。
肯定的な意見
最大の魅力は、抽象的な「思い込み」を具体的なデータとグラフで可視化し、誰にでも理解できる形で示している点です。著者自身の体験談やユーモラスなエピソードが豊富に盛り込まれており、統計の本でありながら読み物としても面白く読めます。また、ただ事実を伝えるだけでなく、なぜ人間がそうした誤解をしてしまうのかという心理的・進化的背景まで踏み込んで解説しているため、自分の思考の癖を客観視できるようになります。読後には世界の見方が確実に変わり、ニュースの受け止め方まで変化する実用性の高さも評価できます。
否定的な意見
データの出典は2017年頃までのものが中心で、コロナ禍やその後の世界情勢の変化を踏まえると、一部の数値や楽観的な見通しには現在の状況とのギャップを感じる読者もいるでしょう。また、内容がやや繰り返しが多く、10の本能それぞれに似たような構造で説明が続くため、後半で冗長に感じる場面があります。「世界は良くなっている」というメッセージが強調されすぎており、現在進行形で深刻化している環境問題や格差問題への危機感が薄れる懸念も指摘されています。統計の専門家からは、データの切り取り方に関する批判的意見も存在します。
総評
本書は、データに基づいて世界を見る習慣の重要性を、わかりやすく説得力をもって伝える名著です。単なる統計の解説書ではなく、私たちの思考の偏りを根本から問い直す自己啓発書としても機能しており、ビジネス、教育、日常生活のあらゆる場面で活用できる普遍的な知恵が詰まっています。出版から年月が経ち一部データの古さは否めませんが、提示される思考のフレームワーク自体は色褪せることなく、情報過多の現代だからこそ読む価値が高まっています。世界を正しく見る目を養いたいすべての人に、強く推薦したい一冊です。
かのんのひとこと
テレビのニュースは戦争、貧困、虐待とか悪いことばかりだし、漠然と世界は本当に大丈夫なのか?って思ってしまいます。一部ではたしかにそのような問題もあり目を瞑っていてはいけないのでしょうが、この本のようにデータに基づいた正しい情報を得ることで「世界は全体的には良くなっている」と感じられ、生きる活力が湧いてきます。
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